合格体験記

E判定から奮起・三度目の正直で合格

資格の学校TAC<不動産鑑定士>各種コース開講

1.不動産鑑定士を目指した理由

私は公的機関で不動産にかかわる仕事をしており、現在の仕事のスキルアップを目的として宅建を取得しました。
その後、その延長線上で転職・独立に有利になる資格を取得しようと考えた結果、不動産鑑定士を目指すことになりました。
その頃はリーマン・ショック前でしたので、求人もかなり多くありました。

2.私の学習方法

(1)全体
まずは短答合格を目指して、1.5年本科(通学)に申し込みました。
初年度の受験では、短答のみに集中したおかげで短答は一発合格することができましたが、論文についてはほとんど勉強していなかったので、その年の受験はパス。
二年目は論文に集中してその年に合格といきたかったところですが、体調を崩したこともあり勉強が計画通りに進まず、あっけなく不合格。
ランクはE判定でした。
今にして思えば、「来年もあるから」という甘えがあったのでしょうね。
三年目は短答免除の最後の年ということもあり、一念発起して頑張りました。
上級本科(通学)に申し込みをして、とにかく講義を休まないように仕事などを調整。
飲み会のお誘いもすべてシャットアウト。
勉強机の前に前年の不合格通知を貼っておき、くじけそうになった時はそれを発奮材料としました。

(2)行政法規
私が短答を受験した年の行政法規は、現行よりも法令数は少なかったのですが、基本的なポイントは変わらないと思います。
すべての法令を完璧に学習することは不可能なので、いかにメリハリをつけるかが勝負ですね。
学習に費やす時間対効果を考えて、私は不動産登記法と土地収用法に関しては初めから捨てていました。
逆に都市計画法と建築基準法は完璧にできるように重点的に。
勉強方法としては、過去問を回すことと暗記をひたすら繰り返すことに尽きます。
都市計画事業許可や建築用途制限など重要な表は、机の前やトイレの壁にコピーを貼っておいて、頭に焼き付けるように努力しました。
(3)鑑定理論(短答)詳細
私はH19年に初めて受験をして、幸いに短答をパスすることができました。
しかしパスしたといっても実際にはかなりの綱渡りで、自己採点した後はかなりの落ち込みようでしたね。
鑑定理論の勉強をなめてかかっていたせいかあまり得点が伸びず、逆に行政法規はかなり難しかった割にはそこそこできました。
両科目ともだいたい60点台半ばくらいだったと記憶しています。
なので鑑定理論(短答)の勉強について参考になることはあまり言えないのですが、自分の反省を含めてポイントを挙げるとすれば以下の2点。
<基準は覚悟を決めて暗記する。決して「理解」に逃げない。>
短答受験のみの年は「まあ暗記しないでも理解しておけば何とかなるだろ」と思っていたのですが、この試験は基準の暗記から逃れることはできません。
しかも受験専念組と違って働きながらの受験は暗記にかける時間も限られてきます。
したがって早め早めに暗記をスタートさせておかないと、短答に受かったとしても論文試験で相当苦しむことになりますよ。私もまさにこのパターンにはまりました。
結果として「理解」と「暗記」は同時並行で進んでいくものなので、「理解さえしておけば」という言葉に逃げないことですね。
<短答対策は無い。論文や演習の学習がそのまま短答対策になる。>
最近の短答の傾向として、かなり実務よりの問題や演習に近い計算問題が出題されていてかなり難しくなっていますね。短答受験のみの年であっても、可能な限り論文や演習の過去問等をフォローしておいたほうが良いです。
あくまでも最終目標は論文試験ですから、短答対策だけで満足しないようにしたいですな。
(4)民法詳細
とにかく一番苦手な科目が民法でした。もともと学生のころから理系一本で生きてきたので、法律知識などまるでなし。
宅建の勉強では民法にあまり深入りせず大体の勘で選択肢を選んで、宅建業法など他の科目で点数を稼ぐことで乗り切りました。
しかし鑑定士の試験では、論文として事例について論証していくわけで、これは逃げようがないですね。
最近の傾向では法科大学院や司法試験の過去問などをチェックしておくと良いとも言われましたが、働いていてただでさえ時間がないのに、そんな事までできませんよ。
したがって私の作戦としては、「他の受験生が最低限やっているところのみを確実に押さえる。」という守りの姿勢で臨むこととしました。
まず京大式カード(B6サイズ)とリングファイルを買ってきて、カードにパンチ穴をあけて綴じる。
そしてTACの答練で頻繁に出ている論点について、カードの表面にタイトルと関係図を描き、論証例をコピーして裏面に張り付ける。
このファイルを基準の暗記本とともに常に持ち歩き、時間を見つけてパラパラと読む。
基本的にはこれだけでした。
一字一句まで正確に暗記する必要はないので、おおまかな論証の流れを覚えればよいと思います。
あと直前期(1か月前)からは、過去に受けた答練を回していきました。自信がないところは解答例を見ながら丸写ししただけでしたけど。
本試験では幸いに2問とも答練で出題された範囲内にある問題でしたので、最低限書けるところはかけたと思います。
しょせんは教養問題ですので、あまり手を広げたり深入りせずに基礎をしっかり固めることに集中したほうが合格に近付くのかな、という印象ですかね。
(5)経済学詳細
私はもともと理系の人間なので、経済学に出てくるような微分積分の数式やグラフなどに対するアレルギーは無かったですね。ただ、テキストの解説などで文章で説明しているところは、???な部分が多かったです。
したがって勉強するときに気をつけたことは、何かのアクションがあった後に数式とグラフがどのように変化するかというところを理解することに集中しました。
文章による説明は後回し。
とりあえず答案に数式とグラフが書いてあれば、ある程度点数はもらえるかなと考えました。
経済学もしょせん教養科目なので掘り下げるときりがありません。
なので答練で出た問題をしっかり解けるようにして、他の受験生と差をつけられないようにしたいですね。
過去問についてもあまり手を広げないようにして、答練の問題に関連する部分をフォローしておく程度でよいと思います。
とにかく勉強時間は限られていますから、効率的に。
あと本番でチンプンカンプンの問題が出題されてもあわてないことですね。
今年の問題2でもカルテルに関する出題がされていましたが、私はわけが分からず「談合」とか書いていました。
それでも何とか自分の知っている範囲でグラフをたくさん書いたのが、結果的には部分点を拾ったのだと思います。
経済学部出身の人でもなければ、この程度で十分。
ただ足きりにあわないように気をつけておいたほうが良いかと。
(6)会計学詳細
かつては得点源となる科目でしたが、近年は概念フレームワークやIFRSに関係する部分が出題されるようになったので、傾向が読みにくくなっています。
ただし、基本は今までと変わらず簿記をベースとした学習をすべきだと思いますね。
まずは簿記3級のテキストを買って一通り簿記の基礎を学んでおいたほうが、スムーズに会計学の学習に入っていけるかなと。
簿記のテキストは色々な出版社から出版されているので、本屋で手にとって自分に合うものを見つけると良いですね。
で、次に会計学の学習に入るわけですが、私は結果的に「基本問題集 (もうだいじょうぶ!!シリーズ)」一冊で完結させました。
この問題集には基本的な論点から現在トレンドの応用論点まで一通り網羅されているので、これ一冊を繰り返し解くだけで十分な学習になります。
答練などで出題された新しい論点については、縮小コピーしたものを空いているスペースに貼り付けることで対応しました。
最初にも書いたとおり会計学は今まさに変動の過程にある科目なので、出題傾向は非常に読みづらくなっています。
そのようなトレンドの変化に過剰に反応するのではなく、こういうときこそ基礎に立ち返った学習をすることが合格への近道になると考えます。
(7)鑑定理論(論文)詳細
2年目の論文に落ちて最後の挑戦となった3年目では、論文のメイン科目である鑑定理論の学習方法を見直すこととなりました。
まず基準の暗記について。
それまでは空いている時間を見つけて出来る範囲を暗記するという方法を採っていたのですが、これでは日ごとのムラが大きくなってしまって暗記の効率が上がりませんでした。
したがって、まず基準冊子の総ページ数をだいたい7等分に区切って、毎日ひと区分づつを暗記して一週間で一回転させるというローテーションを組みました。
また暗記する時間も、夜寝る前の1時間でその日のノルマを覚え、翌朝の1時間でそこの部分を復習するというように固定させました。
このように学習をパターン化することで、暗記の効率も上がってくるように感じます。
論文の実践対策では、通常の過去問や答錬の問題だけでは不足していると感じていましたので、オプション講義で高橋先生の特効ゼミを受講しました。
特効ゼミのテキストには基本的レベルから旧三次試験の難度の高いレベルまでの問題が掲載されており、非常に密度の濃い内容になっています。
答錬で出題される内容もフォローされているため、直前期にはほとんどこのテキストのみを回転させていました。
おかげで本試験でも鑑定理論については自信を持って臨むことが出来ました。
教養科目はたくさん学習をしても不安要素が多いのですが、鑑定理論の実力を高めることで精神的にも安定して本番を迎えることが出来ると思います。

(8)鑑定理論(演習)詳細
演習は最も得意とする科目でした。
学習方法として、2時間分の問題を一度に解くのは時間的にも体力的にも厳しいので、ひとつの問題をいくつかのパートに区切って、そのパートについて15分程度の時間を設定して解くことを繰り返しました。
こうすることでちょっとしたスキマ時間を有効に使うことが出来るし、気楽な気持ちで出来るので精神的にも楽だと思います。
後はこれをなるべく日を空けずに繰り返すこと。スポーツと同じでトレーニングを休むと実力はすぐに落ちてしまうので、少しづつでも毎日刺激を与えておいたほうが良いですよ。

3.本試験について

短答は一日で完結するので、勢いで何とかなる部分があります。
しかし論文は三日間の長丁場になりますから、体調管理に気をつけたほうが良いです。
特に食事・睡眠は重要ですので、普段の自分のペースを崩さないようになるべく自然体で。
あと試験中に体調が悪くなっても何とか対処できるように、常備薬を持参していくことをお勧めします。
ちなみに私は論文試験の途中で胃を痛めてしまい、胃薬を飲みながらの受験でした。

4.これから不動産鑑定士を目指す方へのアドバイス

まずは一にも二にも体力です。勉強や仕事で大変ですが、合間を縫ってなるべく体を動かすようにしましょう。
あとはインターネット等の情報に惑わされないこと。講師の先生のアドバイスは素直に聞いておいたほうが良いですが、ほかの雑多な情報は学習の邪魔になるだけですから、なるべくシャットアウトして自分のやっている事を信じてください。
皆さんのご健闘をお祈りしています。

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